畳の歴史
置きタタミから始まった畳の起源
日本で畳がいつ頃から使われるようになったか、という記録はほとんどなく「古くからあった」という認識くらいのものです。古代から日本人の生活圏にあった稲わらを利用したものが、畳の起源ではないかと考えられています。
その後、稲わらなどの材質でムシロ・コモ・ツカナミなどの敷物を利用していた頃に、大陸から絹織物などの技術が伝わり、日本人独特の向学心からそれらが巧みに組み合わさり八重畳はじめ置き畳や敷物などに進化したことが始まりではないかと考えられています。
奈良時代から平安時代にかけての畳は、主に寝具として使用され、寝殿造りの板張り床に畳を置き、ベッドのように利用されていました。
しかし、それは一部の貴族階級だけのことであり、庶民は相変わらずムシロ・コモの敷物で生活していました。
その後、室町時代に書院造りが盛んに建造され、畳は寝具や座具としての役割から離れて、部屋いっぱいに敷き詰める現在の形に変わりました。これは、畳の進化により住まいの構造が変わり日本人の住まい方(椅子を使わず、直接腰掛けたり、布団で就寝する)が畳を中心とした住まい方に変わった結果とも言えます。フローリングを中心とした現在の住まい方は、今から1000年あまり以前の平安時代に逆行しているとも言えます。